冷たい空気の中で見つけた小さな体の声

冬の朝、涼子はいつもより早く目を覚ました。空気は冷たく、窓の外では薄く霜が降りている。

彼女は健康には気を使っているけれど、このごろ疲れやすくて、体のどこかが静かに叫んでいるように感じていた。病院に行くべきか、それとも自分で何かできることがあるのか。そんな思いが頭の中をぐるぐる回っていた。

休みの日、涼子は近所の公園をゆっくりと散歩することにした。冷たい空気が肺にしみわたり、体が少しずつ目覚めていく感覚があった。普段は気づかない自分の呼吸や心拍のリズムを感じながら、足元の小石がかすかに音を立てるのを聞いた。

途中でふと立ち止まり、遠くの山を見つめる。自然の中での静けさが心にも体にも染み渡り、普段の忙しさで隠れていた小さな体の声に耳を傾けることができた。

病院の結果はまだだが、涼子は焦らずに、毎日少しずつ体と向き合う時間を作っていこうと決めた。この冷たい空気の中で得た静かな気づきが、彼女に新たな力をくれたのだった。