理科室の小さな秘密

朝のチャイムが鳴ると、みさと先生は理科室で特別な授業を始めました。

今日のテーマは「植物の成長」。生徒たちは実際に種を植えて観察するのです。私、陽太は初めての経験にわくわくしました。

植木鉢に土を入れ、種をまくとき、ふと不思議な箱を見つけました。箱には「開けないで」と書いてありました。しかし、好奇心に負けてしまい、そっと開けてしまいました。

中には変わった虫がいました。それは普通の虫とは違い、輝いているように見えました。突然、虫は飛び去り、私たちは驚いて騒ぎました。みさと先生も困った表情になりました。

先生はそれが絶滅の危機にある特別な種類の虫で、学校の理科室で密かに飼育していたと説明しました。私たちが箱を開けたことで、虫が逃げたことは大問題になりました。

そこで、クラス全員で虫を探すことになりました。昼休みや放課後も理科室や校庭を注意深く見回りました。何日か続けて探した結果、虫は校庭の木の下で見つかりました。

虫は無事で、クラスのみんなはほっとしました。今回の騒動で、私たちは自然や生き物を大切に扱うことの意味を深く学びました。みさと先生も「これからは秘密も大切にしよう」と言いました。

この小さな事件は、私たちのクラスにとって忘れられない経験になりました。植物の成長だけでなく、命の大切さを感じた一週間でした。